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【徹底検証】高速夜行バスは危険なのか?事故件数&事故率を調べてみた

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2016年1月15日、軽井沢のスキー場に向かう高速バスが横転して14名の死者を出す悲惨な事故が起き、大学生が多く乗っていた事実もあいまって世間に衝撃を与えた。新幹線や飛行機よりも費用が安いことから、学生が旅行費用をおさえるために利用することが多い高速バス。今回の事故をきっかけに安全性を疑問視する声が挙がっている。

高速バスは他の移動手段に比べてどれほど危険なのか?

本記事では高速バスの事故数を調べ、他の移動手段との比較を含めて検証した。

尚、この記事は高速バスやその他交通機関における事故を容認するものではなく、あくまで利用者側の視点で正しい情報を認識することを目的とする。安全に対する関心は高いに越したことはないよ。

高速バス自体の事故率は0.001~0.01%

平成24年度のデータがあったので簡単にまとめてみた。

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 引用:平成24年度 第2回 車両安全対策検討会

http://www.mlit.go.jp/common/000229255.pdf

 

表の事故数は、高速道路における交通事故として扱われた件数の総数だ。こうして見ると、バスの高速道路における年間事故件数は60件、全事故数に対する割合は0.90%

1年間における高速バスによる輸送人数は年間1億人程度といわれていることから、バス1本における輸送人数を50人として年間の高速バス本数をざっくり計算すると、約200万本。つまり、年間200万本の高速バスの運行があるうち、事故件数は60件。

 

事故件数60件 ÷ 年間200万本 =  0.00003 = 0.003% 

 全運行本数のうち、事故を起こす本数は0.003%。3万本に1本の確率だ。

 かなりざっくりとした計算だから誤差はあるだろうが、それでも事故率は0.001~0.01%程度とみておけば問題ないだろう。

ただ、これらの事故件数のうち、格安料金の高速バスは事故率が高いなどの偏りがある可能性は十分に考えるってことを忘れないでおこう。

 

高速バスは飛行機・新幹線と比べれば危険である

飛行機

直近30年間、JALとANAの便で死亡事故は起きていない。

日本で起きた重大な航空事故といえば、1985年に520人もの死者を出した日本航空123便墜落事故(御巣鷹山墜落事故)がある。あとは、1994年、中華航空のエアバスが、名古屋空港に向かう途中、着陸操作のミスにより墜落、乗員乗客271人中264人が死亡した事故があった。他にも外国の航空会社が日本国土で重大事故を起こしたケースはいくつか見受けらるが、日頃の運行本数の多さを考えれば、事故率は限りなく低いといえるだろう。

 

新幹線

なんと運行開始以来、50年間で列車事故が0件という神がかった安全性を誇っている。

事故ではなく、悪意のある犯人による事件としては、2015年に起きた東海道新幹線火災事件が記憶に新しい。犯人が車内で焼身自殺を図り、犯人を含めた2名が死亡した。

車内への危険物の持ち込みを防ぐための対策がしっかりなされているのか、これから注目していく必要がありそうだけど、運行上の安全性という意味では、今回挙げた3つのうち最も信頼できる移動手段だ。

 

結論

・高速バスの事故率は0.001%~0.01%(1万本~10万本に1件)

・飛行機や新幹線に比べると高速バスは危険

 

この事故率、皆さんはどう思う?メディアの報道から受ける印象ほどは危険ではなさそうだよね。

とはいえ、今回の事故でも明らかになったように、高速バス会社のなかには運行予定の管理や運転手の健康状態に対する配慮が極端に欠けている会社も存在する。格安料金をうたっている高速バス等はなるべく避けたほうが賢明だろう。